2026年2月2日、所有不動産記録証明制度スタート!

このコラムは2026年1月20日に作成および更新したものです。

相続登記義務化に至った社会的背景

2024年4月に、相続により取得した不動産の登記が義務化されたことは、記憶に新しいところである。
その背景には、所有者不明土地の増加、名義が何代も前のまま放置されている不動産の存在、公共事業や災害復旧の支障といった問題がある。

私も賃貸不動産に長く携わってきたが、件数は多くないものの、キャッシュ(現金)でアパートを建築したオーナーにおいて、建物登記がされていないケースを見かけることがあった。
借入による抵当権設定もなく、そのまま未登記となっている例である。

市町村が管理する固定資産税の課税対象リストには掲載され、納税義務も果たされていることから、登記とは別の次元では、平時の運用に支障がないように捉えられがちである。
しかし、こうしたケースについても、過去の事案として未登記のまま放置できるかというと、必ずしもそうではない。

未登記は相続によって顕在化する

法律上は建物の表題登記を行う義務があり、これを長期間にわたり避け続けられる合理性は乏しいといえる。
その状態のまま相続が発生すると、未登記という過去の問題を引き継いだうえで、相続登記という新たな義務にも直面することになり、結果として相続人の負担は大きくなる。

相続が発生した場合、相続により不動産を取得したことを知った日から3年以内に、相続登記を申請する義務がある。これを怠った場合、10万円以下の過料が科される可能性がある。
さらに、2026年4月からは、所有者の氏名・住所の変更についても、2年以内に変更登記を行う義務が生じ、こちらについては5万円以下の過料が定められている。

では、このたび新たに本格運用が始まる「所有不動産記録証明制度」と、相続不動産の登記義務化とは、どのような関係にあるのだろうか。
平たく言えば、不動産登記の義務化は「土台」であり、所有不動産記録証明制度は「活用」にあたる関係である。

不動産の分散化が進む時代背景

これまで日本の不動産登記は、管轄法務局ごと、かつ不動産ごとに管理されてきた。そのため、全国に点在する不動産を、所有者単位で把握することは容易ではなかった。
今後は、不動産の流通がさらに活発化することが予想される。必ずしも、生まれ育った地域に不動産が集約されているとは限らない時代である。

所有不動産記録証明制度では、特定の個人が所有する不動産を一覧で確認・証明することが可能となり、相続、成年後見、財産管理といった場面における利便性の向上が期待されている。
もっとも、この一覧は登記情報を元データとして作成されるものであり、登記情報が最新の状態に保たれていることが前提となる。
その意味でも、日頃から登記情報を適切に更新しておくことが、今後ますます重要になるといえる。
(2026年1月20日)