根拠となるのが、総務省の「住宅・土地統計」である。
2013年の空き家数は820万戸(空き家率13.5%)、2023年は900万戸(13.8%)。10年で80万戸増えたにもかかわらず、空き家率はわずか0.3ポイント上昇にとどまり、横ばいといえる。
これは賃貸アパートの供給と需要の均衡が背景にある。10年間で増えた空き家80万戸のうち、賃貸用住戸は14万戸。一方、国土交通省の統計によれば、同じ期間に新たに供給された賃貸住宅はおよそ375万戸に達する。
単純計算すれば、供給に対する空室の増加はわずか3.7%。入居率に換算すれば、96%を超える高水準だ。
なぜ人口減少下でも新築の賃貸需要は堅調なのか。その答えは「世帯数の増加」である。
日本では1920年の調査開始以来、世帯数が一貫して増加しており、国立社会保障・人口問題研究所の推計では2030年の5773万世帯がピークとされる。主な要因は「一人世帯の急増」だ。
広島市でも傾向は同様で、安佐北区のように人口が1割近く減った地域でも、一人世帯の増加により世帯数はわずかながら増えている。